森田療法とは その基本的な考え方
公開日:2019年12月02日 最終更新日:2022年11月18日
内容 |
森田療法は、東京慈恵会医科大学の初代精神科教授・森田正馬(もりたまさたけ/しょうま・1874-1938)が創始した精神療法で、1919年(大正8年)に確立されたと言われています。 内向的で心配症、完全欲が強いといった神経質な性格傾向の人なら誰でも、身体や感情の違和感にばかり気をとられ、それを取り除こうとしてかえってその違和感にとらわれていく、という経験をしたことがあるでしょう。そうした心のからくりによっておこる精神状態が「神経症」であり、森田療法はこうした神経症のための治療法です。森田自身が大学時代に神経症に陥り、自力でそれを克服した体験をもとに、さまざまな精神療法を学ぶなど試行錯誤を重ねて独自の治療法を編み出しました。 欧米の精神療法では、不安や症状を病的な異常とみなし、取り除こうとします。これに対し森田療法は、不安があるのは人間として自然なことだと認め、不安との共存をめざします。そして、不安の裏にある「生の欲望」に目を向け、その欲望にのって今の自分を現実世界で生かしていこうとします。不安や症状は、こうした努力を積み重ねていく過程でしだいに小さくなっていくのです。近年になって、森田療法は日本独自の療法として、広く世界でも注目を集めるようになりました。 (NPO法人生活の発見会HPから引用 https://hakkenkai.org) 日本には「形から入る」という言葉があります。 森田療法でも、心の変化を得るためには、まず行動や実践という「形」を変えていくことから始めます。そうするうちに、自分自身の自然で豊かな感情に気づき、不快な感情をも「あるがまま」に受け止められるようになるのです。 「こうでなくては」「こうあるべきだ」という思い込みから抜け出し、ありのままの自分を受け入れられるようになることが治療の目的です。 (北西憲二著『森田療法のすべてがわかる本』/講談社 より) |
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